注文住宅にかかる費用と住宅ローンの基礎知識

公開日2022/04/06
最終更新日2024/02/13

注文住宅を購入するにあたって、どうしても気になるのがコストです。全額現金で用意できる人は少ないでしょう。そこで利用されるのが住宅ローンですが、ほとんどの方が利用経験無しで申し込むことになるため、不安は大きいものです。今回は、注文住宅で住宅ローンを利用する際に注意するべきポイントを詳しく解説していきます。

注文住宅を建てる際にかかる費用の内訳

まずは注文住宅を建てる際にかかる費用の内訳を確認しましょう。その費用は大きく分けて、本体工事費用・付帯工事費用・諸費用の3つです。それぞれを詳しく解説していきます。

本体工事費用

注文住宅のコストでメインとなるのが本体工事費用であり、総費用の7580%程度が相場です。仮設工事や基礎工事、木工工事といった基礎・構造づくりはもちろんですが、外装や屋根の工事、そして窓やドア、断熱材やタイルの取り付け含まれています。電線や水道管の配線配管工事、空調工事に住宅設備の設置工事も含まれています。

住宅メーカーの広告で示されている価格や坪単価は、この本体工事費用のみを指していることが多いのでご注意ください。たとえば2,000万円と広告されている場合は、20%増し程度の2,200万円前後がトータルでかかってくるのです。

付帯工事費用

別途工事費用とも呼ばれているもので、総費用の15%から20%程度を占めています。庭や駐車場、門、塀などの外構工事が中心であり、その他にも水道管やガス管を敷地内に引き込む工事が対象です。照明やカーテン、エアコンの購入取付工事もこちらに含まれています。

もともと立っていた古い物件を壊す解体工事費用もこちらに含まれ、地盤調査及び地盤改良工事費用についてもこちらに含まれます。

諸費用

建物や建物まわりの建築工事以外にかかる費用のことであり、総費用の5%から7%程度が目安です。契約に関わる手数料や印紙代、税金関係も含まれます。引越し費用なども含まれます。こちらは現金で支払うことが多いのでご注意ください。

住宅ローンに関する基礎知識

住宅ローンを利用するにあたり、事前に把握しておかなければならないことが幾つかあります。ここでは、その中でも特に重要なものを紹介します。

住宅ローンの融資前に一定額の支払いが必要

土地も購入する場合は、土地の購入費用の一部は先に支払わなければなりません。また家の建築工事費の着工金や中間金などは先に支払う必要があるのです。

そもそも注文住宅の場合は先に土地の購入が必要になり、その後に建物の工事が始まります。住宅ローンの融資が開始されるのは建物が完成する後なので、前もって建築工事費の大半を支払う必要があります。したがって、事前にある程度は資金を確保した状態で注文住宅の購入を検討すべきです。

地鎮祭や上棟式などの費用

家を建てるにあたり、建築工事前には工事の安全と家の繁栄を祈る「地鎮祭」が行われるのが一般的です。神社の神主に依頼し、祈祷・お祓いなどを行うのです。神主への謝礼は初穂料として3万円程度が相場であり、お供え物に1万円程度かかります。さらに基礎工事が完了して建物の骨組みが出来上がったタイミングで行われる「上棟式」と呼ばれる儀式もあります。

お供え物および大工へのご祝儀や昼食の用意などにコストが掛かります。ご祝儀は棟梁に対して1万円から2万円程度が相場で、大工へは1人あたり5,000円程度が目安です。こちらは住宅ローンに含まれることは一般的にはないため、自前で用意する必要があります

不動産にかかる税金とは?

不動産取得にかかるのが不動産取得税であり、建物や土地の価値にかかる固定資産税が不動産にかかる税金です。注文住宅の価格および土地の広さにより税金は決まりますが、各種軽減措置および優遇措置もあります。自治体のホームページなどで優遇措置等が受けられないかを確認しておきましょう。

注文住宅で住宅ローンを利用する際に注意するべきポイント

住宅ローンを利用するにあたり、注意しなければならないポイントを集めてみました。

取り扱いがある金融機関は限られている

「注文住宅」に限定すると、住宅ローンを取り扱っている金融機関の数は限られているのが現状です。さらに厄介なのが、つなぎ融資や分割融資のないような条件が一般の住宅ローンよりも条件に違いが大きいのです。

なので、まずは金融機関側とじっくりと話し合う必要があります。あなたの要望に対応できる金融機関があるか、なるべく早めに調査を開始してください。

金利は変動する

住宅ローンでは取り扱う金額が大きいため、ちょっとした金利の変化で支払額に大きな違いが生まれる可能性もあります。特に金利は変動する可能性もあり、支払いの最中に高くなれば家計を圧迫する原因にもなりかねません。つまり多少は金利が圧迫しても返済できるような住宅ローンを結ぶことが大切なのです。

頭金

土地の契約時に申込みや手付金が必要になりますが、その段階では融資の申込みは行えません。したがって自己資金で頭金の支払いを検討する必要があります。ちなみに土地購入の頭金は土地代金の10%が目安とされています。

 

注文住宅にかかる費用と住宅ローンの基礎知識を紹介しました。注文住宅の費用は本体工事費用・付帯工事費用・諸費用の3つがあり、それぞれ7580%、1520%、57%ほどの割合とされています。それらの費用のすべてを住宅ローンでまかなうことはできないため、一定資金の用意は必要不可欠です。特に土地の購入代金のうち10%は、頭金として用意が必須なので注意しましょう。