「気密性」と「断熱性」の違いとは?快適な注文住宅を建てよう

公開日2023/08/15
最終更新日2024/02/13
比較

注文住宅を建てるために、ハウスメーカーのホームページを閲覧すると、気密性や断熱性と謳われていることがよくあります。こちらの用語の意味を、今回の記事で紹介するので参考にしてください。快適な注文住宅を建てることで、1年中快適に暮らせるだけではなく、住宅が長持ちするメリットがあります。まずは知識をインプットしましょう。

気密性と断熱性の違いとは?

用語の定義を紹介します。2つの用語は似ているのでよく混同されますが、同じ意味ではないので間違えて使用しないようにしましょう。

気密とは

気体の流れを遮ることを指します。隙間を無くして密閉性を高めている住宅は、気密性能が高いといえるでしょう。

室内の温度を一定に保つ役割があります。また、それだけではなく、室内の音が室外に伝わりにくくなっているので、小さい子どもがリビングなどではしゃいでいても、室外に音が聞こえにくくなっているので、近隣住民とのトラブルを防止できます。

そして、室外の騒音が室内に聞こえにくくなっているので、夜間でも安心して就寝できます。

断熱とは

熱が伝わらないようにする仕組みを指します。多くの場合は、壁の内側に断熱材を入れる、断熱性に優れている窓ガラスを使用するなどの対策を講じます。高断熱の住宅は、外気の影響が室内の温度に影響を及ぼさないので、1年中快適に室内で生活を送れます。

こちらの断熱材や窓ガラスは、ハウスメーカーが顧客に勧めるものです。自分が気になる商品であれば、採用を検討しましょう。

なぜ気密性と断熱性が大切なのか

いつまでも安全に快適に暮らしたいと考えている人におすすめです。住宅の劣化が進行しにくくなるので、家族で安心して暮らせるようになっています。また、電気代の節約も期待できます。

省エネになる

夏は、太陽光の熱さが室内に侵入するのを防止します。冬は、エアコンで暖めた空気が室外に逃げるのを防止します。このことから、エアコンの稼働時間が短縮されるので、省エネにつながるといわれています。

温度差がほぼない

断熱性能が低い住宅では、エアコンを稼働させても、室内が暖まりにくいです。暖かい空気は上方に、冷たい空気が下方に流れ込むので、底冷えなどの症状が長時間続いてしまいます。

気密性と断熱性に優れている住宅では、1年中ほぼ一定の温度を保てるので、室内で快適に暮らせます。また、リビングや寝室だけではなく、脱衣室でも快適に過ごせるので、ヒートショックの予防にもなります。

内部結露を防止できる

天井や屋根裏など、目で確認するのが難しい箇所に結露が発生してしまいます。目で確認するのが難しいので、発見するのが遅くなりがちです。内部結露が発生すると、住宅の耐久性が低下します。構造材の腐食や雨漏りなどが出現することも珍しくありません。

住宅の内側から劣化が進行してしまうので、最悪の場合は建て直しになってしまいます。そのほかにも、外壁のひび割れ、チョーキング、住宅の傾きなどの症状が出現するので、まったく兆候に気づかないケースは稀です。

しかし、一度でも不具合や故障が発見されると、業者に修理を依頼することになります。気密性と断熱性に優れていると、内部結露を防止できるため、住宅の劣化が進行しにくくなります。

高気密・高断熱の家の見極め方

2つのポイントを押さえておきましょう。業者に質問することで、きちんと対応しているかどうか分かります。

断熱性能について

UA値で、住宅の断熱性能を知ることが可能です。こちらは国の基準が設けられていて、0.87となっています。ただし、こちらの数字は最低ラインを示しているので、UA値が0.87でも暖かい室内にはなりません。

0.87よりも小さい数字であれば、高断熱の住宅であることが分かります。その場合の最低値は0.6といわれています。なかには、0.5以下の住宅もあるので、断熱性能に優れている住宅に住みたい人は、UA値を比較して検討しましょう。

気密性能について

気密性能を知るためには、C値を測定する必要があります。室内の隙間が少ないと、C値の数字が小さくなります。そのような住宅は、気密性能に優れているといえます。業者にC値の数字を教えてもらいましょう。

また、一棟ごと計測するようになっているので、業者にそのように取り組んでいるのか確認することも忘れないようにしてください。ただし、現在の国の基準は規定が設けられていないので、測定していない業者も存在します。

これは、断熱性能のように基準が設けられていないためです。参考までに、C値は1.0以下が目安となっています。一般的なハウスメーカーでは計測していなくても、気密性能に自信を持っている大手ハウスメーカーでは、C値の数字をホームページなどに掲載している場合があるので確認しましょう。

まとめ

気密性と断熱性に優れている住宅を購入したいと考えている人は多いので、自分でもきちんと知識を身に付けて、高気密・高断熱の住宅を見極めましょう。まずはホームページを閲覧するだけでも問題ありませんが、資料請求やモデルハウスの見学をしてみましょう。

住宅を購入するという夢が目標に変わってきます。複数のハウスメーカーの商品を比較してください。